工学部 数学教室
平田 康史 准教授
Hirata Yasushi

研究分野 集合論的位相空間論

生年/1973年
出身地/千葉県
趣味/音楽を聴くこと
子供の頃の夢/ポピュラー音楽のライターかアレンジャー
尊敬する人/数学者ではユークリッド、カントール、ゲーデル、コーエンなど
愛読書/今は山崎豊子さんの小説『沈まぬ太陽』を読んでいます
休日の過ごし方/のんびりしています
好きな映画/最近観たものでは「思い出のマーニー」が面白かったです
好きな音楽/ポップス、フュージョン音楽など
好きな食べ物/麺類、菓子パンのイチゴスペシャル

工学部 数学教室 平田 康史 准教授

数学もそれ以外のことも、興味をもったり疑問に思ったら
納得するまで調べたり考えたりしながら追求してください。

基礎をしっかり修得し、その上に積み重ねていく

現在は、工学部の基礎科目である「微分積分学A」、「微分積分学V」の講義を担当しています。工学部の各学科で専門的な研究をする学生の皆さんにとって、数学はツールのようなものです。特に微分積分や線型代数などは、現象を記述・表現したり、理論のモデルを構築したり、それをもとに計算を行い起こり得ることを予想して制御するなど、自然科学や工学の分野において、有用なツールとして役立つ場面が多々あると思います。それゆえそのツールを正しく使えるように、定義や定理の意味内容を正しく理解してもらいたいと考えています。

そのため授業では、基礎を大切にした平易な解説を心がけています。どれほど簡単な内容でも、曖昧な理解のまま先に進んでしまうと、難しい問題を解明することができなくなってしまいます。知識はしっかりとした土台の上に積み重ねていくことが大切であり、また、今自分が何を修得しようとしているか、修得した知識はどのような問題に使えるか、意識しながら取り組んでほしいと思います。そしてさらに具体的な計算例を繰り返し解くことで、その概念に慣れ親しむことができれば、本物の知識として身につくはずです。

研究を引き継ぎながら問題を解明していく醍醐味

専門で研究しているのは「集合論的位相空間論」で、特に順序数に関係する事柄を中心に考察しています。私たちは日常で、整列したものの順番を表すときに、0,1,2,3,・・・と表現しますが、これは「有限の順序数」です。ここから少し難しい話になりますが、有限の順序数の次には、最初の「無限の順序数」ωが続き、さらにω+1,ω+2,・・・と続いていきます。そして有限の順序数では起こらないような現象が、無限の順序数においては起こることがあり、さらに大きい「非可算」と呼ばれる種類の順序数が出てくると、より興味深い事柄が出てくるため、この非可算順序数を「位相」という観点から調べています。

私は高校生の頃から数学に興味をもち始めました。特に論理的な事柄に関心があったので、数学をどのように基礎付けるか、といった点に着目している「数学基礎論」の分野に惹かれました。その中に「集合論」というカテゴリーがあり、大学で「位相空間」と絡めて学んでいるうち、上記のようなテーマを扱うようになりました。

数学の一般的な研究スタイルは、まず、先達が明らかにしてきた研究結果を勉強したうえで、未だ解明されていない問題を証明していく、つまり研究を引き継いでいくような作業です。自分の力で問題を解明できる喜びや達成感は当然のことながら絶大ですが、仮に完全に解明できないにしても、少しでも研究を先に進めることができれば、いつか何かの役に立つことができます。それがこの研究の醍醐味であると感じています。

数学は、あまり物分かりのよくない人に向いている学問かもしれません(笑)。教科書や参考書に書かれていることでも、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で本当に納得するまで調べたり考えたりすることで、本物の知識として身につくからです。でもこれは、数学に限らずどんなことでもいえることかもしれませんね。皆さんもぜひ、興味をもったことや疑問に思ったことは、とことん追求してみてください。その結果、何かしらの自分なりの見解をもてるようになると、学ぶことがどんどん楽しくなると思います。

高校生の時に初めて読んだ『数学序説』は、非専門家向けに数学を幅広く紹介している本です
高校生の時に初めて読んだ『数学序説』は、非専門家向けに数学を幅広く紹介している本です。数学の基礎付けに関して書かれている章の内容に興味をひかれ、数学基礎論を学びたいと思うきっかけになりました

これは当時使っていたDTM(desktop music)の外部音源で、パソコンとケーブルでつないで音を鳴らす装置です
学生の頃、趣味でポピュラー系の楽曲を作って遊んでいました。これは当時使っていたDTM(desktop music)の外部音源で、パソコンとケーブルでつないで音を鳴らす装置です