工学部 数学教室
矢島 幸信 教授
Yajima Yukinobu

研究分野 トポロジー(位相数学)

生年月日/1950年3月9日
出身地/東京都
血液型/O型
子供の頃の夢/小説家
休日の過ごし方/仕事(ただし、疲れているときはひたすら睡眠か温泉)、散歩
家族構成/妻、長男、長女、父、母
好きな国/日本

工学部 数学教室 矢島幸信教授

数学の研究結果は抽象的で役に立ちませんが、
その考える方法がいかに人生の役に立つかを伝えていきたい。

数学は、本来直感的で親しみやすい学問

私が最初に数学の道に進もうと思ったのは、大学入試のための受験勉強をしていた頃です。受験勉強がつらくて大変だったので、せめて夢だけは大きく持とうと、漠然とでしたが「数学者を目指そう」と思い描いたのです。いざ大学に入ってからは、自分には能力がないんじゃないかと挫折しそうになり、夢はいろいろな方向に変わりましたが、最後はやはり数学にたどり着いて、現在に至るといったところです。

私の研究テーマは「トポロジー(位相数学)」という分野で、面積や体積といった「量」ではなく、図形の幾何学的な「質」を研究する学問です。内容をひと言で説明するのは難しいですが、たとえば、鉄道路線図を考えてください。これをわかりやすくするためには、駅と駅の間隔はどれくらい距離があるかという量よりも、どのように路線が結びついているかという図形の質がポイントになります。トポロジーの考え方はこうしたところにも応用されているのです。

数学は論理による厳密な学問というイメージがありますが、本来は、直感が大きなウエイトを占める学問です。1つ新しいことがわかると、それに関連してわからないこともたくさん出てくるので、アイデア次第で世界観がどんどん広がっていきます。

研究に終わりはありませんが、この数年は忙しくて自分の研究に費やす時間がほとんどとれず、現在、研究は自分の中では一区切りつけざるを得ない状態です。けれども、将来時間的に余裕ができたら、また再開しようと考えています。

夢と野心をもって、充実した学生生活を送ろう

授業では、1、2年次生の自然系基礎教育として、微分積分学(1変数関数)や線形代数学など、極めて基本的な部分を教えています。これは、工学には絶対に欠くことはできない知識です。高校で学んだことを復習しながら授業を進めていきますが、工学の専門分野を目指すならば、高校時代から親しみをもって、数 IIIをしっかりと勉強しておいてください。

また、私の場合は、「数学者になる」という目標を持って受験を乗り切り、学生時代を過ごしましたが、皆さんもぜひ、大きな目的や野心をもって学生生活を送ってほしいと思います。勉強だけでなく、サークル活動などでもよいでしょう。受験勉強でがんばりすぎて、大学に入るときには疲れ果てている学生を見かけますが、大切なのは大学に入ってから何をするかです。就職活動をする際にも、学業の成績だけではなく、その人がどんな学生生活を送ってきたかが重要視されます。もちろん、単位をとらないと卒業できないので、勉強以外のことだけに一生懸命になりすぎるのも困ってしまいますが、人とは違う自分なりの楽しみや目標をぜひ見つけてください。


1999年夏に本学で開催した「位相数学とその応用に関する国際会議」の報告書。実行委員長として、この会議を成功させるために奔走した懐かしい日々の記憶が蘇る


アメリカ滞在中、かつてトポロジーの共通のテーマを研究したテルガルスキー教授からいただいたウォッカの小瓶。帰国前に一緒に訪れた思い出の地、ホワイトサンド(アメリカ・エルパソの小さな真っ白い砂漠)の砂を詰め込んだ