工学部 電気電子情報工学科
渡邉 騎通 助教
Watanabe Norimichi

研究分野 超伝導、電子デバイス、電子機器

生年/1973年
出身地/静岡県富士市
血液型/AB型
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/大学・研究所でお世話になった先生方
愛読書/科学雑誌「Newton」や「日経サイエンス」 宇宙科学、物質科学、生命科学、脳科学など、科学技術全般に幅広く興味があります
趣味/読書・新聞を読む
休日の過ごし方/読書・散歩
好きなTV番組/ドキュメンタリー番組

工学部 電気電子情報工学科 渡邉 騎通 助教

効率的な電力輸送や、エレクトロニクスへの
応用が期待される「超伝導」の研究を続けています。

さまざまな可能性が広がる超伝導デバイスの研究

私は神奈川大学の本学科で学んだ大学時代から、超伝導に関する研究を続けています。 皆さんもご存じの通り、私たちが日常で使用している電気は発電所から送られてきます。しかし、電気を流すときに電気抵抗で損失が出るため、電力を100%輸送することはできません。つまり無駄が出てしまうわけですが、電気抵抗がゼロになる超伝導現象を利用すれば、電気を効率的に流すことができます。このように超伝導は、将来の電力輸送やエレクトロニクスへの応用に期待されているのです。

半導体がダイオードやトランジスタなどの電子デバイスに加工されてエレクトロニクスに応用されるように、超伝導現象では、「ジョセフソン接合」と呼ばれる超伝導トンネル接合の作製が必要で、この特性を理解することがエレクトロニクスに応用するための鍵になります。ジョセフソン接合は、外部から磁界を加えると流れる電流が変化するのですが、これを複数方向から行うことで、ジョセフソン接合の特性について多くの情報を得ることができます。そこで私は、3方向から外部磁界を加えることで、ジョセフソン接合の電気的磁気的な特性を調べています。

また、ジョセフソン接合を利用した超伝導デバイスのひとつであるSQUID(超伝導量子干渉素子)の作製と応用研究も行っています。SQUIDとは、超伝導状態で出現する量子効果を利用した高感度な磁気センサで、人間の脳や心臓の神経活動によって発生する微弱な磁場も測定することができるので、脳や心臓の仕組みを明らかにする研究にも使用されています。

専門外の知識や技術が研究の役に立つことがあります

現在担当しているのは、電気・電子・情報工学の各分野の代表的なテーマについて基本的な実験やシミュレーションを行う「電気電子情報実験Ⅲ・Ⅳ」の電力と制御の分野と、「量子デバイス研究室」での卒業研究の指導です。研究室では、各実験工程の意味や効果を自ら考えて実験を進めるよう促しながら学生たちとコミュニケーションをとり、できるだけ学生から意見を引き出すため、活発に意見交換できる雰囲気づくりを心がけています。

私は宇宙科学や生命科学など科学技術全般に興味があり、関連雑誌をよく読んでいますが、頭の片隅に残った断片的な知識が思い掛けないときに現れ、自分の研究の役に立つことがあります。また、いくつかの大学や研究所で研究員としてさまざまな研究を行いましたが、そのときに得た知識や技術も今の自分の糧になっています。皆さんにも、専門分野だけでなく、幅広く学んで知識のすそ野を広げてほしいです。

また、プレゼンテーション能力や問題解決能力を養うことも重要です。私は大学院時代に研究室の方針で、イタリアで開催された国際会議に参加しました。初めての海外なのに観光をする余裕もなく、なんとか乗り切った感じでしたが、学生時代にそういった経験ができたことは大変有意義でした。学会では他の研究者の研究内容に刺激を受けたり、最先端の情報を得られることもあります。研究室でも毎週、研究の進捗状況を発表してもらっていますし、英語での論文投稿や国際会議での発表なども勧めています。今後も、皆さんが将来積極的に社会貢献できるよう、自立と成長を支援していきたいと思っています。

超伝導デバイスの試料の表面
これは研究室で作製した超伝導デバイスの試料の表面です。サイズは50μm×50μm。50μmは人間の髪の毛の太さほど。こういったものを扱っていると、ものづくりの楽しさを実感します

超伝導電流の磁界の特性を測定する装置
超伝導電流の磁界の特性を測定する装置です。この装置で、超伝導トンネル接合の性質について、たくさんの新しい知見を得ることができました