工学部 電気電子情報工学科
松木 伸行 准教授
Matsuki Nobuyuki

研究分野 エネルギー変換デバイス、固体電子工学、薄膜電子材料

生年/1973年(昭和48年)
出身地/東京都
血液型/O型
子供の頃の夢/研究者になること
尊敬する人/伊能忠敬、寺田寅彦、恩師の先生方
愛読書/トマス・クーン『科学革命の構造』、パウル・ヒンデミット『作曲家の世界』
趣味 /オーケストラ・アンサンブルでのバストロンボーン演奏、アマチュア無線(JE1JTP)
休日の過ごし方/オーケストラ等での音楽演奏活動
好きな映画/アンドレイ・タルコフスキー監督・小津安二郎監督の映画
好きな音楽/クラシック音楽(特に好きな作曲家はJ.Ockeghem、J.S.Bach、Anton Bruckner、A.Scriabin)
好きな食べ物/和食(魚)、ワインに合う料理、手料理
好きな国/日本、オランダ王国(滞在国)

工学部 電気電子情報工学科 松木 伸行 准教授

再生可能エネルギーの利用を促進する新しい材料やデバイスの
開発によって、持続可能な社会の実現に貢献します。

既成概念にとらわれない新エネルギーの開発

自然エネルギーを電力に変換したり、省エネルギーや環境保全に貢献できる材料・デバイス・システムの開発を中心に研究しています。これまで主に太陽電池を専門とし、省材料、省製造エネルギー、省コストな太陽電池や、紫外光や熱線を遮りながら発電する窓材料などの開発を行ってきました。今後はさらに視野を広げ、ひとつの分野や既成概念にとらわれない新エネルギーについても開発をしたいと考えています。たとえば、太陽光のみならず水力や風力なども含めた、自然がもたらしてくれるあらゆるエネルギー。あるいは室内光を再利用するなど、より広範な自然エネルギー。そして生活環境の余剰エネルギーなどを活用する新規の素材やデバイスの開発を目指します。これまで世界の経済発展を支えた火力・原子力発電は、簡便に莫大なエネルギーを取り出せる手段として確立してきましたが、二酸化炭素の排出による気候変動、埋蔵資源の枯渇、放射性廃棄物処理問題、放射性物質拡散事故など、人類の永続を脅かす問題をかかえており、今そこからの転換を求められています。できる限り集中型の電力に頼らないシステムを作り、将来的には電線のない暮らし、つまり生活に必要な最低限の電力を個々人でまかなえる社会が理想です。自分の畑で育てた作物に愛情が湧くように、電力も自給自足できればエネルギーに対する人々の意識も変わるのではないでしょうか。

大学〜ポスドク時代に広がった研究と人的交流

子供の頃から研究者に憧れ、中高生の頃からは持続可能な社会のために何ができるか考え始めていました。当時は半導体やエレクトロニクスに興味を持ち、大学では物理学科の研究室で半導体の基礎電子物性について学びましたが、自然エネルギーへの関心が高まり、理工学研究のできる大学院に移り、太陽電池の研究を始めました。大学〜大学院を通し、研究室で同級生や先輩・後輩とともに研究に打ち込んだ経験は財産であり、苦楽をともにした同窓生たちとは今でも交流しています。大学時代には管弦楽団に所属し、音楽を通じて広がった先輩・後輩・OBの方々との交流で、人間関係も大きく広がりました。現在も市民オーケストラなどで活動を続けていますが、仕事以外にも打ち込める趣味を持つことができたのは、学生時代の部活動のおかげだと思っています。現在学生の皆さんもできる限り何らかのサークルや部活動に所属し、趣味と人間関係の幅を広げてもらえたら、と希望します。

学位を取得したあとは、京都、筑波、神奈川など4か所の国内公的研究機関およびオランダのデルフト工科大学で博士研究員(ポスドク)として勤めました。特に、片道切符で行ったオランダで過ごした2年半は思い出深いものがあります。原子間力顕微鏡を使った半導体の局所電気特性を調べる研究を進めつつ、市民オーケストラで一般のオランダの方々と交流できたことも貴重な経験でした。計5か所のポスドク勤務は、ポスドク流浪時代の現在といえども多い数で「ポスドク問題(なかなか定職に就けない博士研究員問題)」のモデルケースにもなると自負(?)していますが、今思えばポスドク時代は、研究と人的交流の財産を蓄えるための貴重な期間でした。

学生時代は、人生のキャラクターを作る時期

現在の担当講義は「エネルギー工学」です。私たちの日常生活や産業に必要不可欠な電力エネルギーの源である種々のエネルギー変換方法(水力・風力・火力・原子力・太陽光発電等)について、力学・熱力学・化学・電磁気学・量子力学・半導体物性等に基づく原理まで掘り下げ、講義を行っています。受講者には講義内容をしっかりとノートにとってもらい、最後に簡単な小テストを行います。この<聴講→自分自身のノート作り→小テスト>という一連の流れで、学習内容の本質的な理解と定着を目指しています。

研究室では、太陽電池に関連したさまざまな研究に取り組んでいます。学生からの提案研究も歓迎です。たとえば鉄道や自動車など、自分の趣味と太陽電池を組み合わせた研究なら、モチベーションも向上するでしょう。学部の研究で大切なのは、研究の楽しさを知ることと、自分の研究(取り組んでいる事柄)を第三者に分かりやすく伝える訓練をすることです。そして何かひとつでもオリジナルなものを創り上げてほしいと思います。

学生時代は、成人後の人生のキャラクターを作る大事な時期です。それゆえ学生の皆さんには、勉学はもちろんのこと、サークルや部活動、ボランティアなど何でもいいので本気で全力投球できることを見つけ、その活動を通して多くの経験を積んでほしいと思います。そのために大学や教員ができることは、教育・教養・課外活動などのサービスを提供することであり、神奈川大学は、そういった設備・制度がとても充実しています。そのサービスを大いに活用してください。

バストロンボーン
中学生の頃、ルネッサンス音楽に興味を持ち、大学時代は管弦楽団に。そのとき初めてバストロンボーンを手にし、これは3代目でベルリンの工房Throja(トローヤ)のもの。(トロンボーンは15世紀にイタリアで生まれ、初期には神聖な楽器として主に教会音楽で使われていましたが、その後交響曲からジャズまで幅広く用いられるようになりました)

Best Paper Award(最優秀論文賞)とBest Presentation Award(最優秀プレゼンテーション賞)
日本から片道切符でオランダへ行き、デルフト工科大学のポスドクとして勤めていた時代にいただいたBest Paper Award(最優秀論文賞)は、なかなか定職に就けない時期に研究を続けることへの希望を与え、励ましてくれた思い入れのある賞です。一方は、岐阜大学での助教時代に、自身では「地味でマニアック」と思っていた研究結果を国際会議で発表した際にいただいたBest Presentation Award(最優秀プレゼンテーション賞)。自身では目立たないと考えている研究テーマでも、面白いと認めていただける意外なケースもあり、研究結果を公表することの重要性を再認識させてくれました。