工学部 電気電子情報工学科
齊藤 隆弘 教授
Saito Takahiro

専門分野 画像情報工学、画像エレクトロニクス、信号解析と情報の数理、視覚情報処理

出身地/横浜市磯子区
血液型/B型(家族全員B型です)
家族構成/三人の子供はすべて独立しました。現在は妻とビーグル犬の愛犬クララちゃん
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/マザー・テレサ、アッシジのフランチェスコ、キュリー夫人
愛読書/ドストエフスキーやトーマス・マンの長編小説、プラトン(ソクラテス)
趣味/芸術鑑賞(映画・絵画・音楽)、読書(小説から哲学まで幅広く)
休日の過ごし方/仕事以外の社会活動、読書、散歩、とくに愛犬との散歩
好きな映画/ロシアの映画監督・タルコフスキーの作品(「ノスタルジア」、「惑星ソラリス」など)
好きな音楽/イタリアオペラ、モーツァルト、バッハ、メシアン、ビートルズ、中島みゆき
好きなTV番組/ゆるい番組、例えば「鶴瓶の家族に乾杯」「世界ふれあい街歩き」
好きな食べ物/フランスパン(主食は米ではなくパンです)、和菓子
好きな国/イタリア、日本

工学部 電気電子情報工学科 齊藤 隆弘 教授

自らが生涯にわたる“自分自身の先生”となるように、
本物の学ぶ力を身に付けよう。

視野を広げて新しい発想を生む

近年、デジタル画像の品質は急激に進歩し、高品質な画像を自在に扱うことができるようになりました。デジタル放送の分野では、フルハイビジョンの2倍、4倍の高画質を追求した4KTV、8KTVといった次世代テレビが登場し、2020年に開催が決まった東京オリンピックに向け、8KTVが一般に普及するのも夢ではないでしょう。私は1980年代の後半から、この高品質画像の技術の必要性を提唱し、実現に向けた基礎的な研究を行っていましたが、デジタル画像の高品質化については、来るべきところまで来たという感があります。今後は、たとえば老化で眼の水晶体が濁り、色彩感覚が低下した高齢者のための画像処理など、個人の状況に合わせた技術提供を求められる時代になると思います。

私自身はここ10年、“工学と自然科学は表裏一体である”点に着目し、専門分野以外にも多くの本を読み、さまざまな事象に関心を持っています。たとえば、生物の視覚機能は、眼の網膜に映った像の情報が脳に伝わり、そこで処理された像を脳で認知するというものですが、私たちの脳は一人ひとり違うはずなのに、なぜか皆、同じ視覚世界を体験しています。その背後にある原理について数学理論を構築すれば、生物の視覚機能を説明することができ、その原理はコンピュータの画像処理に適用することができます。工学だけの視点で物を見ていると行き詰まりますが、このように工学と自然科学の両方に興味を持って視野を広げると、新しい発想が生まれるものです。

時代を越えて研究成果をリレーする

大学は電気工学科でしたが、もともと数学が好きで、数学を扱う技術に興味がありました。「情報理論」の授業で、デジタル通信の基礎理論を築いたC.E.シャノンのシャノンセオリーを学び、そのシンプルで力強い理論に強く惹かれて通信系の研究室に入りました。そして大学院時代に指導教官から“たまたま”(笑)画像の研究を勧められたのが、専門の道に進んだきっかけです。

最初は、手さぐりで試行錯誤しながら研究テーマを探し、今では広く普及しているMPEGやJPEGの基本になった、画像の圧縮符号化の研究から始めました。これと並行しながら1980年代後半以降は、前述したように、高品質なデジタル画像の実現に向けて研究を行いました。学問の世界はどの分野でも同じですが、研究は一人のものではなく、先人たちの地道な努力による成果の蓄積の上に成り立つものです。そして、次の世代の研究者は、その学問の火を消さないようにしながら、後ろを振り返らず、ひたすら前進するために研究を続けます。その成果をまた次の世代にリレーし、いつの日かそれが花開きます。時代を越えて、その一端を担う喜びや楽しさは、たいへん得難いものです。

大学の4年間は大人の世界に旅立つ準備期間

私たち人間は、その人生において20年ごとに大きな転換期があるといわれていますが、その人間の発達段階でいえば、20歳前後は大人への過渡期です。まさに大学の4年間に相当するこの時期は、子供の世界から大人の世界に旅立つ準備期間で、精神的にも大きく変化します。大学で新しい友人や教職員と出会い、未知の経験をすることで、高校時代とはまったく違う自分に生まれ変わるかもしれません。学生の皆さんには、その変化を恐れず、多くの人に出会い、さまざまなことにチャレンジしてほしいと思います。

今はまだ、将来進むべき道が見つからなくても、経験を重ねるうちに自分が心から興味を持てることに遭遇するでしょう。そうしたら、そのことに自主的に取り組んでください。自分で目標を見つけ、自分を律して自己学習し、努力した経験は、社会に出てからも折に触れて自分の支えになってくれるはずです。大学で専門的な知識を学ぶことも大事ですが、自律した学習者になることは、何より大切です。生涯にわたって自らが“自分自身の先生”でいられるように、このような本物の学ぶ力を身に付けてほしいと思います。

※齊藤 隆弘先生は〈工学部・総合工学プログラム〉にも掲載しております。

これまでの研究成果を数人の研究仲間と共にまとめた本
これまでの研究成果を数人の研究仲間と共にまとめた本

映像処理メディア学会フェローの称号を授与されたときの認定メダル
2006年5月20日、映像処理メディア学会の52回通常総会で、映像処理メディア学会フェローの称号を授与されたときの認定メダル