工学部 電気電子情報工学科
新中 新二 教授
Shinnaka Shinji

研究分野 モータの駆動制御技術

出身地/瀬戸内海の小島、蒲刈島
趣味/音楽鑑賞(妻が声楽家なので、クラシックが家中に流れている)
子供の頃の夢/「立派な大人」になること
尊敬する人/哲人・中村天風
愛読書/歴史書、ビジネス書、経済書、哲学書
休日の過ごし方/大半は教育・研究に捧げている
家族構成/妻1人、娘1人
好きな映画/泣ける映画
好きなTV番組/歴史もの、科学もの
好きな著名人/特になし
好きな国/日本

工学部 電気電子情報工学科 新中新二教授

自分が願う人生を切り開くには相応の力がいる。
その力をつけるのは、系統的な学修です。

劣等生時代が支えた波乱万丈の人生

私は子供の頃ずっと、何をやらせても不細工で超劣等生だったんです。このみじめさ・つらさは味わった者にしかわからないでしょう。超劣等生時代に、忍耐力と忍従力を身につけ、成長の喜びを体験しました。これらが、その後の人生の原動力になっています。小学校5年生頃だったと思います。やっと九九を覚えられたとき「やりゃできるんだ」という感動と「ほめられる」嬉しさを初めて味わいました。18歳の春に、小島の生活に終止符を打ち、本土に渡り、関が原を越え、箱根を越えて、防衛大学に入りました。誰にも何も期待されず、世間様に迷惑をかけず自分一人で生きていくことを求められていました。この頃から、自分の人生は「質実剛健」、「積極進取」の体現そのものとなりました。

大学卒業とともに陸上自衛隊(中央野外通信群)に入隊しました。陸上自衛隊員・新中新二の始まりです。二尉(中尉)時代にアメリカの大学院に留学を命じられ、情報関係の研究を始めました。大学院には各国から優秀な人が集まっていましたが、一人で問題を見つけ解決する力は誰にも負けなかったと思います。自力での問題解決力は、超劣等生の幼年・少年期から25年の永きにわたり鍛えておりましたから。28歳の夏、米国博士の学位を取得し、日本に戻りました。そして、18歳から続いた積極進取の10年戦争が終りました。

帰国後は、防衛省の研究所などで10年弱ご奉公し(純公務員時代)、その後キヤノンの研究開発本部に勤務しました。ビジネスマン・新中新二の始まりです。世間は中央研究所設立ブームで、キヤノンも例にもれず、技術開発にお金を惜しまない時代でした。キヤノン時代にはいくつかの研究室長を兼務し忙しくとびまわりました。その後ベンチャー企業を立上げ、社長もやりました。そして、日本経済のバブルがはじけ、私のビジネスマン人生もはじけました。10年の短命でした。

45歳の春、神奈川大学の教員になり、学者・新中新二が始まりました。「高き」を、「世界」を目指しました。これまでの間に、約130件の学術論文がジャーナルに掲載されました。家族からこれ以上の転身を禁じられていることもあって(笑)、学者・新中新二は、静かに静かにそして熱く教育・研究に明け暮れています。

自分を信じて歩み続けなさい、道は開けます

神奈川大学ではモータの駆動制御技術の研究をしています。この技術はバッテリー電気自動車、燃料電池電気自動車、ハイブリッド電気自動車の命で、身近なところで言えば、エアコン、冷蔵庫、エコキュートなどの家電を効率的に運転させることができ、エコロジーの観点から注目されている先端技術です。悪戦苦闘した末、この分野では国内第一人者の地位を確立し、海外からは「日本に新中あり」といわれています。最近は、「バイブルを書いた男」と呼ばれています。専門家のためのバイブルとして、2008年に「永久磁石同期モータのベクトル制御技術、上下巻」を、2013年に「永久磁石同期モータの制御、センサレスベクトル制御技術」を、2015年に「誘導モータのベクトル制御技術」を出版したことによります。これらは、この分野では、世界に比肩なき1600ページ超の金字塔です。

学生諸君、自分を信じれば、大学4年間で人生に必要なすべての基礎力を修得することができます。「質実剛健」、「積極進取」の精神を身につければ、人生は思いのままです。学生諸君には、4年間の系統的学修を通じてこれらを身につけ、自力で自分の人生を切り開いていく楽しさを味わってほしいと願っています。

著書『永久磁石同期モータのベクトル制御技術 上・下巻』
著書『永久磁石同期モータのベクトル制御技術 上・下巻』(電波新聞社)。約15年間の研究成果を約千ページでまとめたもの。この分野のバイブルとして、大学院、企業で広く利用される

著書『永久磁石同期モータの制御―センサレスベクトル制御技術―』
著書『永久磁石同期モータの制御―センサレスベクトル制御技術―』(東京電機大学出版局)。この分野の今日の最先端技術を体系化した唯一の専門書。100%オリジナル