工学部 建築学科
落合 努 助手
Ochiai Tsutomu

研究分野 建築構造・材料、地盤工学、構造工学・地震工学・維持管理工学

生年/1976年
出身地/神奈川県平塚市
家族構成/妻、娘2人
子供の頃の夢/庭師
尊敬する人/父親
愛読書/推理小説(最近は警察小説をよく読みます)
趣味/読書
休日の過ごし方/子供と遊ぶ
好きなTV番組/「がっちりマンデー!!」、「ゴッドタン」

工学部 建築学科 落合 努 助手

建築物の下に必ずある「地盤」。
建築を学ぶ人にはその性質を頭の片隅に入れておいてほしい。

「地盤」の研究を、いずれは防災につなげたい

普段は意識しない人がほとんどだと思いますが、「地盤」というのは私たちの暮らしに大きな影響を持っています。

人も都市も建物も、基本的には地盤の上に存在しています。どんなに丈夫に作ったとしても、地震が起きて地盤が壊れてしまえば上に載っている建物も壊れてしまい、都市も機能しなくなってしまうでしょう。過去の地震などから、たった数メートル位置が違うだけで地面の揺れ方がまったく違う例も数多く確認されています。 私はこの「地盤」をキーワードに、地盤そのものの研究に加えその振動や建物の耐震、都市防災などをテーマに研究を行っています。

地面は、外からだとその中がどうなっているかまではわかりません。地盤の研究には、そのわからない地面の下がどういう状態で、どのような性質をもっているのかが、さまざまな調査で見えてくるという面白さがあります。地震被害の現場に行くと、地盤の状態から予測される被害が予想通りだったり全く違ったりとさまざまな体験をしました。こうした経験や知識を積み上げていく必要性を強く感じます。また、私は地盤の研究だけにとどまらず、そこから人や地域の防災問題へとテーマを広げていきたいと思っています。防災は幅の広い難しい分野ですが、そこまで広げていかないと、実際に人の命を救うということにはつながらないとおもっているので。

その結果がどう世の中で使われるかを意識して実験を

授業は、1年生の「力と形」と3年生の実験の補助を担当しています。

「力と形」は、大学に入りたての1年生に向けた演習を伴う授業です。建築や構造力学に興味を持ってもらえるよう、そしてグループで作業することの必要性や楽しさを伝えられるように意識しています。

実験の授業では、主に土質の項目に関して、なぜその実験が必要か、また実験結果が建築の分野にどのように使われるかを伝えるようにしています。私は大学院を出た後、地盤調査会社に勤めた経験があり、現場でその土の硬さなどを調べる業務にも携わり、結果をまとめて設計事務所などに納める仕事をしていました。建築学科の皆さんが仕事に就いた場合、自分でそのような調査の仕事に就くことはまれだと思いますが、地盤調査で得られたデータを設計などに使う機会は多いと思います。なので、実験の授業でもそこを意識していてもらえるように心がけています。

建築学科で勉強する人たちの多くは、世の中に出れば建物をメインとした仕事をすることになるでしょう。ですから、その建物が立つ地盤の性質というものに、学生時代にきちんと触れて、頭の片隅に入れておいて欲しい。建築を教える先生はたくさんいらっしゃるので、私は地盤や防災など、建築以外のことを教えられればと思っています。

建築は実際に「見る」ことが大切

学生の皆さんには、大学や研究室にこもっての研究だけでなく、現場で感じる空気感を大切にしてほしいと思います。私は会社勤めのころ現場監督として、いろいろな場所の地盤調査の経験をしました。海上に船を浮かべてボーリング調査をした時は、毎朝、地元の漁師さんの船をチャーターして現場に行き来したのですが、漁師さんと仲良くなって休みに漁に連れていってもらい、獲れたてのしらすを食べさせていただいたこともありました。そういう現場の人たちとのコミュニケーションは楽しい思い出です。

地盤調査会社の後は、地震・津波や台風などの災害に関するシミュレーションを実施しコンサルティングサービスを行う会社へ転職しました。デスクワークがメインでしたが、地盤調査で得られた情報を使ったシミュレーションをすることも多く前職の経験が役にたちました。また、被災地の被害調査へ何度も行っている経験から、シミュレーション結果を実際の災害へ結びつけて考えるよう心がけていました。

建築は、図面や写真でみるのと実際に現地で見るのとでは感じ方が絶対に違います。インターネットで簡単に現地の写真などが見られる時代だからこそ、現地へ足を運んで、実際に「見て」「感じる」感覚を大切にしてほしいと思います。

『地震動のスペクトル解析入門』(鹿島出版会)と『地震と建築』(岩波新書)
大崎順彦先生の著書、『地震動のスペクトル解析入門』(鹿島出版会)と『地震と建築』(岩波新書)は、学生のころからの参考書で今でもたまに参考に開いています

キーホルダー
常に通勤カバンにつけているキーホルダー。ホイッスルは災害にあったときのため。プラバンは子供が作ってくれたプレゼント。描かれている人らしきものは私だそうです(笑)