工学部 建築学科
齊藤 隆典 助教
Saito Takasuke

研究分野 建築構造、材料

生年/1980年
出身地/北海道恵庭市
血液型/AB型
家族構成/妻、娘
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/両親
愛読書/安部公房、星新一、宮沢賢治
趣味/ドライブ、旅行
休日の過ごし方/家族でおでかけ
好きな映画/「ライトスタッフ」「2001年宇宙の旅」「スターウォーズ」シリーズ
好きな音楽/Yellow Magic Orchestra、pupa
好きなTV番組/「0655」「2355」
好きな食べ物/さんま、ジンギスカン、ぶどう

工学部 建築学科 齊藤 隆典 助教

建築は多くの要素によって成立するもの。
いろいろな分野に興味をもち、それを子供のように楽しもう。

実験を通して目に見えない「力」を体感する

私が担当している「力と形」は、1年生前期に開講される初学者向けの構造力学の授業です。講義と学生自身が行う比較的簡単な力学実験によって構成され、基本的に各回ひとつのテーマに取り組みます。この授業の目標は、目に見えない「力」とこれに深く関わる建築構造の「形」について、実際に体感し理解すること。たとえばマンションなどの集合住宅の梁や柱に、どのような力がかかるとどう変形するかといった、実際に目にする機会の少ない力学的な問題について、簡単な計算も交えながら、スポンジや木などを材料にしたシンプルな構造模型を使った実験をとおして学んでいきます。1年生の後期になると本格的な構造力学の授業が始まり、さまざまな力学の概念を学ぶとともに計算問題も本格化します。力というのは目に見えないため苦手意識をもつ人が多いのですが、そこで「力と形」の実験内容を思い出し、力学的な概念を理解する助けにしてほしいと思っています。

また、3年生になると各回異なる実験テーマについて、グループ分けをした少人数形式で「建築構造実験」を行います。この授業では、実大の木材に数トン〜数十トンの力をかけて破壊の様子を観察する「木材の曲げ実験・圧縮実験」やコンペ形式による「トラス構造の載荷実験」など、さらに本格的な実験をしていくことになります。

画像データを使って構造物の変形を調べる

現在、私が主に取り組んでいる研究テーマは「デジタルカメラやビデオカメラを用いた構造物の光学的全視野変形計測法」に関するものです。構造物の耐震性能を知るためには、作用している「力」に対して生じる「変形」を知ることが非常に重要となります。この変形を計測する際には、対象物に接触させたセンサにより変位を測る「変位計」や、フィルム状のセンサを対象物に貼り付け、その変形により生じる電気抵抗の変化をひずみ量に換算する「ひずみゲージ」などを使用するのが一般的。しかし、これらを用いて対象物の変形を広範囲かつ詳細に計測するのは難しいことです。また、建築分野で代表的な材料のひとつであるコンクリートでは、変形が進んでひび割れが発生した後には計測自体が難しくなる、といったデメリットももっています。

これに対して「光学的全視野変形計測法」は、変形状態にある計測対象を撮影してその画像データを解析することで変形量を得る、いわゆる非接触計測が可能であり、従来の方法がもつデメリットを解消することができます。研究開始当初はいろいろな解決すべき課題が山積みで、計測精度は決して良いものとはいえませんでしたが、画像解析技術を向上させることによって、現在では従来の計測法とほぼ同等の精度を確認しています。今後はこの計測法を用いて、これまでの計測法では観測自体が難しかった建築構造物に生じる現象を捉え、新たな知見を得ることを目標に研究を進めています。

建築においては、時には分野の垣根を越えることも重要

建築分野は「構造・設備・意匠」等のさまざまな要素から構成されています。そして、それぞれの要素がすべて成立してはじめて「建築」となるのです。建築が他の分野と比べ少々趣が異なるのはこの点であり、それは人間がその中で生活をするということが大前提にあるからに他なりません。そのため、建築を学ぶ、あるいは学ぼうとしている皆さんには、建築に関係なくいろいろなことに興味をもってほしいと思います。

私自身の研究テーマも、本来は情報工学やロボット工学といった分野で用いられ始めている技術を応用したもので、建築分野とはほとんど接点のないものでした。それを研究しようと思ったきっかけは、学生時代に趣味で集めていたステレオカメラです。ステレオカメラというのは複数のレンズをもち、同時に微妙に異なるアングルの写真を撮影することで、奥行きのある立体写真が撮れるカメラのこと。もともとは純粋に趣味だったのですが、あるときふと、この原理を使って奥行きを測る=構造物の変形を測ることができるのではないか、と思い、それが現在の研究テーマに繋がっていきました。

このように、時には分野の垣根を越えることも重要なのだと、自分でも最近あらためて感じています。ひとつの分野を極めるために学ぶことは、無論とても大切なことです。けれど「自分の研究分野と関係ないものは必要ない」と決めつけるのではなく、直接研究に関係のないことにもいろいろと興味をもち、そしてそれを子供のように楽しめる感覚をもってほしいと思っています。

Duplex Super 120(イタリアISO社製ステレオカメラ 1956年)
Duplex Super 120(イタリアISO社製ステレオカメラ 1956年)。学生時代に好きで集め始めたステレオカメラは全部で10台ほど手元にある。あまり知られていないが1900年前後には既に初期のものが存在し、徳川慶喜公も愛用していたようです。シンプルな原理だが、ちゃんと立体に見えるので、最初に見たときは衝撃だった

結婚した年の誕生日に妻がプレゼントしてくれた鞄
結婚した年の誕生日に妻がプレゼントしてくれた鞄。とても丈夫で、かれこれ9年ほど愛用している