工学部 建築学科
犬伏 徹志 助手
Inubushi Tetsushi

研究分野 建築構造、免震構造

生年/1981年
出身地/徳島県徳島市
血液型/A型
家族構成/妻と二人暮らし
子供の頃の夢/忘れました
尊敬する人/自分ができないことができる人
趣味/将棋
休日の過ごし方/家でダラダラ過ごす
好きな音楽/邦楽
好きなTV番組/「ONE PIECE」(アニメ)
好きな食べ物/肉
好きな国/日本

工学部 建築学科 犬伏 徹志 助手

想定外の地震が起きたときに、建物がどのように壊れるか。
それを知っておくのは、安全を考えるうえでとても大切なことです。

免震の建物が最終的にどう壊れるか、それを研究しています

私は免震建物の終局状態に関する研究を行っています。簡単にいえば、建物が最終的にどのように壊れるかということを知っておくための研究です。

建物の構造には「耐震」「免震」「制振」の三種類があります。耐震は、その名のとおり「地震の揺れに耐える」設計。一方、免震・制振というのは、装置を使って地震の揺れを伝えにくくしたり揺れを小さくしたりすることで建物への被害を軽減する方法です。特に免震は理論自体は古くからあるのですが、実際に建物に使われ始めたのは比較的最近のことです。免震の手法はいろいろありますが、最もオーソドックスな方法は、建物1階の床の下に「免震部材」というしなやかなものを入れるやりかた。そのため地面が揺れてもその振動が建物にダイレクトに伝わらないのです。

実は本校の23号館は免震建物なので、機会があれば外側をよく見てみてください。建物と外側の通路の間が少しあいているのがわかるでしょう。これは免震部材の上に乗っている建物をあえて地面と固定せず、地震が起きると建物全体がゆるやかに動いて揺れを軽減する仕組みです。こうした免震建物が設計時の想定を上回るレベルの地震に遭遇した場合、建物の免震層(免震部材が配置されている層)が大きな水平変形を起こして擁壁(ようへき)にぶつかる可能性があります。私の研究テーマは、そうした場合の建物挙動を数値解析で調べることです。

現行の建築基準法では、設計レベルで安全であることはもちろんですが、設計時の何倍の地震にまで耐えられるかという、いわゆる余裕度の検討も行っています。ただし、それ以上の地震が発生した場合に建物がどうなるのか、ということについては明確になっていません。免震部材が壊れて建物が倒れてしまうのか、それとも免震層は無事でも柱や梁などの部材がボロボロになってしまうのか、はたまた全く違う現象が生じるのか……。

“想定外” のことが起こった場合にどのように壊れるのかを把握しておくことは、安全を考えるうえでも極めて重要なことだと思います。

建物が建つ、まさに「土台」=土の特性を知ることも大切

担当講義の「力と形」は1年生前期の授業で、建築構造を勉強するうえで必須である建築構造力学の入門編に相当します。難しい計算は行わず、簡単な実験をつうじて自分の目で現象を見てもらうことと、その現象が生じる理由について自分なりの考察をすることを目的としています。2年生後期の「骨組の力学Ⅱ」は島崎和司先生が講義を担当されており、私はその演習を担当しています。講義では説明を聴くことが多いですが、演習では実際に問題を解いて、さらに理解を深めていきます。

3年生前期・後期の「建築構造実験」と「建築実験」では、コンクリートや鉄、木材など建築材料に関する強度や特性を調べる実験で、私は土に関する部分を担当しています。土は私たちの身の回りに存在し、触れる機会も多いですが、意外とその特性は知られていません。土というのは、建物が建っている土台。地震の振動は土(地盤)の中を通って建物に伝わります。意外と無視されがちですが、土(地盤)の特性を知っておくことは地震による建物への影響を知るためには大切なことです。

たとえば山の方にある建物と、埋め立て地にある建物では、同じ地震がきても揺れ方が違います。また、軟弱地盤の上に建てるなら、免震より耐震の方がいい場合もあります。土が柔らかいと地震の波がゆったりと伝わる。そして免震の建物もまた、ゆったりと揺れるので、その波長が重なってしまうと共振という現象が起きて、揺れが増幅されてしまう場合があるんです。このように建物の安全性にも土の性質は関係してくるんですよ。

社会に出てから「もっと勉強しておけばよかった」と後悔しないように

私は大学を卒業してから7年間、構造計画研究所という会社で構造設計の仕事をしていました。超高層の免震マンションを設計したり、とある米軍基地のなかの建物の設計をしたりもしました。

社会に出てから「学生のときにもっと勉強しておけばよかった」と思うことがよくありました。授業を受けているときには「こんな勉強、どこで役に立つんだ?」と思うものですが、実際に設計をしているとそれが「ああ、こういうことだったのか!」「こういうときに使うのか!」とわかって、「あのときもう少し勉強しておけばよかったな」と思ったものです。誰にでも必ずそういうときがきます。学生時代は自由な時間がたくさんあります。遊びやアルバイトに夢中になるのもよいですが、せっかく学費を払っているのですから、是非とも学業にも励んでください。

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