工学部 建築学科
小谷野 一尚 助手
Koyano Kazuhisa

研究分野 建築構造・材料

生年/1981年
血液型/O型
出身地/神奈川県
家族構成/両親、弟、の4人家族
子供の頃の夢/建築に携わること、騎手
尊敬する人/両親、岩田衛教授、職人さん
趣味/ライブに行く、音楽鑑賞、サッカー観戦、うまいもの巡り
好きな映画/「ショーシャンクの空に」「きみに読む物語」「The Butterfly Effect」
好きな音楽/サカナクション、the band apart、KUDANZ、bomi
好きな食べ物/ビール、ホルモン、牡蠣、甘い物(特にパフェ)
好きな国/モナコに住みたい

工学部 建築学科 小谷野 一尚 助手

建築は多彩なものを内包する。
だからこそ視野を広くもち、いろいろな体験をしよう。

数式の先の「形」をイメージしよう

助手なので、あくまでも授業の補助になりますが、建築構造の基本である「建築の力学および演習」と、更に進めた「骨組の力学Ⅰおよび演習」、実験科目である「建築構造実験」「建築実験」の鉄骨関係、そして鉄骨構造の設計方法と図面の書き方を学ぶ「鉄骨構造の設計および演習」の講義を担当しています。

神奈川大学および大学院の出身なので、これらのほとんどが学生時代に受けたものですから、ここがわからなかったな、こうしたほうがわかりやすいのにな、などと昔を思い出しながら講義をしています。

自分が学生の頃もそうでしたが、構造力学などはどうしても計算ばかりに目が向きがち。だから、どうしても苦手に感じでしまう学生が多いようです。そこで授業では単に数式を解くだけでなく、どのような力の流れを生み、どのような変形をするのかというイメージを描くことを大切にしています。その感覚がつかめると、計算することで、対象がなぜその形になるのかがわかるようになるんです。たとえば最近できた東京ゲートブリッジが、どうしてあんな恐竜が向かい合ったような変わった形をしているのかといえば、数々の制限の中で効率の良い力の流れ方を計算した結果。こうした関連性が見えてくると、途端に面白くなるはずです。そこが面白さでもありますから。

現場で学んだことは研究・開発にも必ず活かせる

先ほど神奈川大学出身と言いましたが、実際には大学院卒業後、8年間建設会社に勤務して施工管理と積算という仕事をしていました。建築物というのはどうやってできるのか、いわば「建築の本質」を自分の目で見たかったのです。

施工管理では、現場で実際に建築物ができあがっていくのを目の当たりにし、人が一から造りあげていること、さまざまな大勢の人が携わっていることを再認識しました。なんといっても職人さんは尊敬に値します。図面という平面を立体にしていくのは彼らであり、それって実は凄いことなんです。実際の現場ではいろいろな条件が重なったりして、完全に図面どおりに作ることが難しい、仮に全てを機械でやろうとしたらどうしてもエラーが出てしまうはず。そこを工夫して職人さんが手を使って納めてしまう。その職人技は素晴らしいですし、建築って結局は「手作り」なんだなと実感しました。

一方、積算というのは建築物の費用に関する仕事。巷にあふれている商品とは違い、建築物には定価がなく、しかも高額です。さらには、多岐にわたって費用(たとえば、コンクリートや壁紙、便器などの見えるものから、工事をするための足場やクレーンなど、職員の給料や保険など)が発生します。だから細心の注意を払って漏れがないように、図面とにらめっこをして、何が必要なのかをイメージしながら数量を計算したり、金額をはじいていました。また、営業寄りの部署ということで設計事務所やお客さん、さらには下請け会社との交渉などもありました。ですから今も大学の備品を買うときなど、思わず交渉したくなったりするんです(笑)。

現場と積算の両方を体験できたことは、自分にとって良い経験だったと思います。現場の状況や費用面についての知識があることで、実際に建築物を所有する人たちや使用する人たち、造る人たちの立場を考えながら研究・開発ができる。そうすれば、ひとりよがりになりませんから。

「好き」「嫌い」と決めつけず、いろいろなことを経験しよう

建築という分野には、心理的な感覚や見た目の善し悪し、色や音響の問題など、五感の全てが関係してきます。ですから普段からいろいろなことに興味を向けて、感覚を研ぎすませておくことが大切だと思っています。

もともと私自身「これはこうだ」って決めつけるのが嫌いなんです。固定観念をもたずに、いつもニュートラルでいたい。だから趣味もサッカー観戦だったり、音楽を聴いたり美味しいものの食べ歩きなど、いろいろです。あてもなく歩くのも好きですね。建築物だけじゃなくて人間観察も楽しい。とにかくなんでも吸収したいんですよ。一回自分の中に取り入れて、合わないものは出しますけど、とりあえず一回は吸収しておきたい。これは自分には向かないって思うのが嫌なんです。自分のやることに自分で制限をかけるのが、好きじゃない。変化していくこと大歓迎です。

若い人たちにも、これは苦手とか嫌いとか、決めつけないでほしいですね。好きなもの、得意なことだけじゃなく、自分に向いていないと思うことでも最後までやりきることで見えてくることもありますから。視野を広くもって、建築だけでなくいろんなことを経験してほしいと思います。

そして人とのつながりを大切にしてほしいですね。社会人になるとなかなか友達ができないので、学生時代にたくさん友達を作ってください。

日本建築学会環境系論文集に掲載された論文「ファサードエンジニアリングの統合に関する研究」と概念を実建築物に適用した「東京工業大学緑が丘1号館レトロフィット(建築技術2006年8月号)」
日本建築学会環境系論文集に掲載された論文「ファサードエンジニアリングの統合に関する研究」と概念を実建築物に適用した「東京工業大学緑が丘1号館レトロフィット(建築技術2006年8月号)」。統合ファサードは、これまで別々に行われてきた、デザイン、構造エンジニアリング、環境エンジニアリングを統合した技術。古い建築物の外側に統合ファサードをつけることにより、景観を良くすると同時に耐震強度を上げ、さらに日射しをコントロールして夏は涼しく冬は暖かく室内温度を維持できる

最近お気に入りのKUDANZとbomiのサイン入りCD
休日には好きなバンドのライブを聴きにライブハウスへ行くことが多い。写真は、最近お気に入りのKUDANZとbomiのサイン入りCD。小さなライブハウスへも足を運ぶので、自然と顔見知りになってお喋りしたりすることも