工学部 建築学科
岩田 衛 教授
Iwata Mamoru

研究分野 建築構造工学、特に建築鋼構造

生年/1947年
血液型/A型
出身地/静岡県駿東郡小山町
子供の頃の夢/中学生から建築技術者を目指した
好きな映画/「007シリーズ」「インディー・ジョーンズシリーズ」
好きなミュージカル/「オペラ座の怪人」「マンマ・ミーア!」
好きな音楽/ミュージカルの曲、歌手はテレサ・テン
好きなTV番組/NHKスペシャル、ディスカバリーチャンネル
好きな著名人/ニーチェ、トルストイ
好きな食べ物/うなぎ、金目鯛、キャベツ
休日の過ごし方/読書、水泳

工学部 建築学科 岩田衛 教授

目標を持ち、技術への変わらぬ情熱を持つ、
誇り高い立派な技術者になってほしい。

実務を通して得た技術と経験は、かけがえのないもの

私は建築のなかでも建築構造、特に鋼材を用いた鋼構造を専門にしています。建築構造の技術者とは、建物を設計する上で欠かせない役割を担っていて、建築の骨組がそれ自体の重さや、地震・風・雪などの外から加わる力によって壊れることなく、安全であるように設計し造る人のことを言います。そもそも私が建築構造に興味を持ったのは、大きな構造物への憧れがあり、それを造りたいと思ったからです。というのも私が高校生の頃は、東京オリンピックの開催に向けて、代々木体育館、首都高速道路、東海道新幹線などの大規模施設の建設が次々に行われていた時代でした。建築の勢いを肌で感じられる時代だったのです。また父親が土木技術者だったことから、幼い頃よりダム建設の話などをよく耳にしていたことも、影響していると思います。

大学では博士課程まで進み、工学博士の学位を取得しました。当時は、そのまま研究者になることが一般的でしたが、私はあえて技術者として新日本製鐵に就職する道を選択しました。実務を通して、実際の建築技術に触れることで、本当に研究すべきテーマを見出したいと考えていたからです。おかげで企業時代には、さまざまな建築の設計と建設に携わりました。システムトラスや損傷制御構造といった新しい構造システムの技術開発をし、世の中から高い評価も受けました。もちろん成功ばかりではなく、時には失敗をしたこともあります。しかし実際の建築現場で鍛えられ、そこで得た技術と経験は、私にとってかけがえのないものとなりました。再び研究者・教育者として大学へ戻ろうと思ったのも、積み重ねた実務経験があったからです。

長寿命化とリユースを基盤にしたサステナブル建築構造

1999年に神奈川大学に就いてからは、「地球環境に配慮したサステナブル建築構造」をテーマに研究を進めてきました。企業時代に培った建築構造の技術と、その当時はまだ注目されていなかった地球環境を結び付けたものです。具体的には、構造物の長寿命化を第一に考え、社会的・経済的な要因によってやむを得ず解体する場合は、その建築材をリユースすることを想定した建築構造で、4つの技術から構成されています。

ひとつは「座屈拘束ブレース」といって、木造の筋かいと似たような使い方で建物を補強する鋼材ブレースが、地震・風などの力で曲がらないように鋼材の周りを補剛する技術で、構造物の損傷制御に役立ちます。それから大地震が起きた時に、損傷を接合部の方杖に集中させることで主体構造である柱と梁の被害を避け、地震後の建物の継続使用を可能にする「SB構造システム」、耐震改修のひとつとして、外壁面を構成するファサードにデザイン性と環境要素を加える「統合ファサードシステム」、リユース用部材のデータベースを構築し、それを介して設計・加工・施工・維持管理・解体・保管を一連のフローで循環させる「リユースシステム」という技術になります。これらの研究は構造物の長寿命化、建築廃棄物の削減や省資源化を可能にするうえ、地球環境に配慮した建築構造の技術開発やその実用化の促進にもつながっています。

ただ、現在は私の中である程度、上記の研究に目途がついたので、今後は新たな目標に向けて進んで行きたいと考えています。ゼロから一をつくる、そんな新しい挑戦をすることが、生涯変わらぬ私の習性なのです。

学生は一人の若き技術者

研究室の学生には、本物の技術を身に付けてほしいと思っています。初めから、私は学生を一人の若き技術者として扱い、構法の発想から実験・解析、さらにそれを設計して形にし、再び実験をして検証するという一連の流れを経験してもらっています。技術者は、どれかひとつができれば良いのではなく、すべてを考え実行できなければならないからです。また、実物大に近い大きさで建築構造物や構造部材の実験を行い、部材がどのように壊れるのか、どうすれば目標とする性能を得られるのかを体験し、理解してもらっています。これは建築構造を肌で感じるために非常に重要な体験であり、将来、実務についた時に役立つ貴重な経験となります。

研究室は、少々厳しいところもありますが、ここでしっかり鍛えて、将来は自分で技術テーマを探し、目標を持ち、技術への変わらぬ情熱を持つ、誇り高い立派な技術者になってほしいと思います。

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