経済学部 経済学科
山本 博史 教授
Yamamoto Hiroshi

研究分野 アジア経済、タイ地域研究

生年/1956年
血液型/O型
出身地/四国の松山
家族構成/妻のみ
趣味/読書、タイ研究
子供の頃の夢/小説家
尊敬する人/高杉晋作
愛読書/特になし
休日の過ごし方/本を読んで過ごします
好きな映画/好きかどうかはっきりしませんが、タイの映画は機会を作ってみるようにしています
好きな音楽/ポップスからクラシックまで何でも聞きます
好きなTV番組/特になし
好きな著名人/特になし
好きな食べ物/さしみ、すし
好きな国/タイ、ラオス

経済学部 経済学科 山本博史 教授

アジアを見れば日本のことがわかる。
学生時代にはぜひ外の世界へ出てみて欲しい。

イメージだけで判断することの危うさ

タイというと、最近は激しいデモの様子をニュースで見て、政情不安な状態という印象を抱いている人が多いと思います。経済的にもかなり打撃を受けているでしょう、とよく人からも聞かれるのですが、実は為替レートや輸出高、外貨準備などマクロ経済指標を見ると経済状況はそれほど悪くはありません。政治的に動乱期であることは確かですが、経済的には安定しているのです。このようにイメージというのは、意外に真実とは異なっている場合があります。

皆さんが外国の電化製品売り場を見ると、それを顕著に感じると思います。たとえばタイのデパートに並んでいる電化製品。昔はほぼ日本製品だけと言っていいほどでしたが、今ではすっかり商品配列が変わり、特に家電の一部は韓国のサムスンやLGなどに取って代わられています。日本国内ではまだまだ「サムスンなんて…」という程度の認識ですし、国内市場では売上も少ないですが、世界的に見ると、もう完全に日本のメーカーよりもサムスンの方が強いんです。そもそも現在、ソニーは液晶をサムスンから買っているんですから。ソニーのブラビアとは宣伝していますが、液晶パネルはサムスン製なのです。また、日本ではまだあまり見かけない現代自動車も、世界的には日産自動車を追い抜いてシェアをどんどん拡大しています。

このように、日本国内しか知らずに抱いているイメージと、世界の現状とは大きく違うことがあるのです。

会社は「大学」ではなく「人」を見ています

私が担当している「アジア経済論」の講義では、アジアの新興国の現況を、経済発展の側面を中心に考察しています。私の専門領域がタイなので、事例としては東南アジアの話が多くなります。

今は企業が国を選ぶ時代。ところが日本は高い法人税を取り、既得権益を守ろうとやっきになっているため、相対的な力がどんどん低下しています。アジア経済を見ることで、このような日本経済の仕組みや、現在抱えている問題などもよくわかるようになるのです。

しかし経済面でのアジアとの関係は年々深まっているにも関わらず、学生の関心は反対に薄くなっているようです。若者の意識がどんどん内向きになっているんですね。特に気になるのは、留学する学生が減ってきていること。アメリカの大学からも「日本からぜんぜん留学生が来ないけど、どうしたんだ」と言われるくらいです。

近年、強い企業はどんどん日本から離れ始めています。だからこそ求められるのは、外へ出て行ける人材。少し極端な言い方ですが、日本を見限るのも可能性を広げるひとつの手かもしれません。さらに企業は「大学名」ではなく「人」を見ています。「大学名」というブランドだけで仕事ができるかどうかわからない人材を採るほどの余裕は企業側にもないんですよ。だから、ちゃんと働いてくれるかどうか、というところを見ているんです。

外の世界へ出て、自分の可能性を広げよう

自分の世界を広げるためにも、外から日本を見てその現状を知るためにも、一番いいのは留学してみること。私のこれまでの教え子たちも、留学経験のある学生はどんな就職氷河期でもちゃんと就職を決めています。

二十歳前後の若い時期に外国で一人で暮らすという体験は、後の人生の大きな財産になります。いろいろと自分一人で対処しなければいけないこともあれば、考えさせられることも多い。もちろん心細いこともあるでしょうが、その分、しっかりしますし、なにより簡単には物事に動じなくなります。ただし、半年間は日本語を一言も喋らない、くらいの意識でいないとダメですけれどね。

とにかく二十代は生涯食べていける「自分」をつくる時間だということを理解して、実践していって欲しいと思います。

自著『タイ糖業史』(御茶の水書房)
自著『タイ糖業史』(御茶の水書房)。前半は博士論文で、後半部分は卒業後、1冊の本にするために書き足したもの。ここでまとめたタイの砂糖産業に関する研究は、ライフワークになりそう

昨年9月に発売された『タイ辞典』(日本タイ学会)
昨年9月に発売された『タイ辞典』(日本タイ学会)。政治経済から日常生活にいたるまで、約750項目のタイに関する事柄の解説が掲載されている。15項目ほどを執筆した。タイには留学時代を含めて9年滞在したが、基本的には個人主義で、しかし義理人情には厚い、とても居心地のいい国だった