経済学部 経済学科
戸田 壯一 教授
Toda Soichi

研究分野 金融政策論、公金管理とペイオフ問題、セイフティ・ネット

生年/1948年
血液型/O型
出身地/東京都
趣味/ウォーキング(散歩)
子供の頃の夢/電車の運転手
愛読書/経済小説(高杉良、江上剛)、歴史小説(池波正太郎、隆慶一郎、司馬遼太郎、山本周五郎他)
好きな音楽/何でも聞きますが、強いて言えばニューミュージック、サラ・ブライトンやモーツァルト
好きな映画/西部劇
好きな食べ物/洋食
好きな国/アメリカ(アメリカ人は好きだが、国は嫌い)

経済学部 経済学科 戸田壯一教授

予測できないあらゆる出来事に
対応できる能力を身に付けてほしい。

専門の道に進んだきっかけ

「ペイオフ」という言葉は、今では新聞やテレビのニュースなどで誰もが一度は目にしたことがあると思います。これはいわゆる“預金保険制度”のことで、ごく簡単に言えば、金融機関が破たんした際、預金者の一定の預金が保護されるということです。私は大学院の時に、この預金保険制度について研究し始めました。実は最初はアメリカの銀行大恐慌について勉強していたのですが、ある先生に「その分野ではすでに先達が大きな成果を出しているのに、それを超えるだけの成果を出せるのですか」と言われたのです。それがとてもショックで落ち込み、どうしようかと悩んでいた時に先生から、アメリカのミルトン・フリードマンという経済学者が書いた『アメリカの金融史』という本についてひとこと言われました。本の中でフリードマンは「アメリカの金融システムが 1960〜70年代に安定していたのは、1930年代に連邦預金保険制度が確立されたからだ」ということを指摘していますが、先生が「私はその考えについては疑問がある」と言われたのです。なぜ先生がそう思われたのか・・・それが知りたくて、連邦預金保険制度を勉強し始めたのがきっかけです。

その当時、日本の金融システムはとても安定していたので、預金保険制度の研究など“たまたま”誰も手を付けていませんでした。だから自分の研究が先々陽の目を見るなんて少しも思っていませんでしたが、90年代に入って金融機関の破綻や整理統合が起こり、これに伴った金融システムの不安定性等が問題となり、預金者保護、自己責任、ペイオフ解禁などの問題がにわかに脚光を浴びるようになりました。こうした問題との関連で預金保険というセイフティ・ネット(安全網)の整備が大きな問題になったわけです。私も総務省のペイオフ検討委員会や自治体の公金管理などで、多少は世の中の役に立てたのかなと考えています。

しかし、振り返ってみると経済学部を受験したのは、正直なところ“たまたま”です。大学に入ったら本を読む時間が欲しいと思っていたので、経済学部なら時間があるだろうなぁ・・・と(笑)。そして、これも“たまたま”金融のゼミに入ったのですが、そこで岩波新書の『円』(鈴木武雄)という本を読みまして、その中のニセ札についての記述などがとても面白くて、その時はただの興味でしたが、そこから少しずつ現在の専門の道に進んできたわけです。

“人間万事塞翁が馬”

大学で、自分より幾世代も若い学生たちと接していると、驚かされることがたくさんあります。時代の流れの中でさまざまなことが変化しているので無理もないことですが、変わらないこともまた多くあり、そういったことは、昔から言い伝えられてきました。中国の故事に“人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)”という言葉があります。意味するところは、私たちの人生に起きる禍いも福も予測はできない、ということですが、60年近く生きてきた今、私もまさにそう思います。学生の皆さんには、予測できない出来事に対応できる能力を養ってほしいと願います。

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