経済学部 経済学科
小川 浩 准教授
Ogawa Hiroshi

研究分野 経済政策、応用経済学、労働経済学

出身地/伊豆半島のウェストライン。へその辺り
趣味/スキー、ゲーム以外のコンピュータでできること全般、料理
子供の頃の夢/石工(小2)、マッド・サイエンティスト(小5)
尊敬する人/Donald E.Knuth先生
愛読書/『日経エレクトロニクス』
休日の過ごし方/あるべき休日の過ごし方は、スキーに行き、行けない時は運動したり、昼寝したり、読書したりしてダラダラする。稀に昼酒で酔って、子供に呆れられる。よくある休日の過ごし方は、締切が迫った仕事のため、終日、机に向かう
好きな映画/「Tom&Jerry」やTex Averyが演出している短編、「ニュー・シネマ・パラダイス」「虹の女神」
好きなTV番組/「ピタゴラスイッチ」「ガイアの夜明け」
好きな著名人/グラハム・カー
好きな食べ物/ギョウザ+ビール

経済学部 経済学科 小川浩准教授

数値やグラフを鵜呑みにしない。
そういうものの見方が経済学には必要です。

より実現可能な解決策を目指して

私が専門としているのは、労働経済学です。これは、就業、失業、労働時間、賃金など、労働にまつわる諸問題を分析し、問題解決策を探る応用経済学の一分野です。実際に私が行っている研究は、労働、つまり人に関係する事柄のデータを収集し、コンピュータで解析し、その結果から今までみんなが知らなかったことを導き出すというものです。

例えば、10年ほど続けている「少子化・少結婚化の経済分析」。なぜ若者は結婚しないのかというテーマで、マイクロデータ解析とシミュレーションをしてきました。具体的には、ある男女のグループをコンピュータ内に設定し、相性が良い、悪い、お金がある、ない、というように、単純化した条件を決めてモデルを作り、シミュレーションするのです。その結果、女性の父親にお金があり、求婚する側の若い男性にお金がない場合に、結婚する確率は下がるという結果が出ました。そこから考え得る単純な解決策は若者の雇用や賃金を増やし、父親世代の所得を減らすということになります。しかし現実に、父親世代の所得を減らすことには大きな抵抗があります。どこかがマイナスになるような解決策ではダメなのです。今後は、より実際に近いデータを条件とした細かいモデル設定をし、シミュレーションし直し、実現可能な解決策を見つけ出そうと取り組んでいます。

また、最近は「市民によるBLS普及の経済効果分析」という研究も始めました。BLSとは、心肺停止状態の人に対して機材や薬品がない状態で行う一次救命処置のことです。今、日本では病院外で倒れて心肺停止状態になった人の命が助かる可能性は非常に低いのです。というのも、救急車が到着するまでに要する時間と、心停止により脳細胞が壊れていく時間を比べると、後者の方が短いケースが多いからです。人が死ぬということは社会的損失ですし、重度の障害を抱える人が発生することは介護などを考えても社会的コストがかかります。それならば、市民に訓練をほどこしBLSを行えるようにすれば訓練コストを上回る経済効果を生むはずだというのがこの研究の狙いです。また、身の回りからでもBLSを普及させるため、アメリカ心臓協会(AHA)のBLSインストラクター資格を取得してBLSの指導も行っています。まだ始めたばかりですが、何とか良い解決策の発見を目指しています。

何かに打ち込んだ経験が将来の強みに

講義でもゼミでも、学生には、常に数値やグラフを鵜呑みにしてはいけないということを教えています。経済学を学ぶ上で、数字は必ず出てくるものです。ただ、その数字がどのようにして導き出されたのかということを意識しておかないといけません。例えば、アンケート一つとっても、質問内容や聞き方によって誘導的に答えを導きだすことが可能です。特にそれが事実を聞くものではなく、人の気持ちを聞くようなものであればなおさら顕著です。誰だって、実際よりも答えやすい回答を選んでしまう傾向がありますからね。新聞でもニュースでも、そこにあるデータを批判的・客観的に捉える、そういうものの見方を大切にしてほしいと思います。

また、大学では、勉強でもサークルでも何でも、自分の興味あることに打ち込んでみましょう。就職試験では、必ず、大学で何をしてきたか問われます。その時に、答えられないようでは困ります。打ち込む内容は、今すぐに役立つことでなくても構わないでしょう。学生時代、私はコンピュータに夢中になっていましたが、まさかそれが今の経済学の研究に役立つなんて思ってもいませんでした。単にコンピュータが面白かったのです。役立つかどうかより、とにかく熱中して何かに取り組んでみる。それが将来、アドバンテージになるかも知れません。

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