経済学部 現代ビジネス学科
小山 和伸 教授
Oyama Kazunobu

研究分野 経営組織論、戦略論

出身地/東京都
趣味/乗馬(軽井沢乗馬倶楽部会員)、居合道(無双直伝英信流7段教士、全日本居合道連盟・関東地区所属)、ボーイスカウト(小学生の時からずっとやっていて、現在はボーイスカウト日本連盟・横浜108団委員長)
小さい時の夢/医者
尊敬する人/土田龍太郎先生(知り合った時、東大の文学部の院生だった。今は東京大学文学部印度語印度文学の先生。高校生の時にこの人の影響を受けて僕も学者になろうと思った)
愛読書/カール・ヒルティの『幸福論』

経済学部 現代ビジネス学科 小山和伸教授

進むべき方向に向かって、生き方をデザイン。
誰でも、人生を創りあげてゆくことができるのです。

日常に潜む組織論と戦略論

経営活動の多くは複数の人間によって行われていて、そこには組織のメカニズムが働いています。そこで、ある目的をめぐって協力し合ったり、対立したりする現象の中にどんな論理が流れているか、これを探るのが組織論であり、それを戦略論でもって制するという考え方が存在するのです。これが私の研究する分野です。

組織論というのは、複数の人間が協力し合う場面では、どんなところにも現れる現象で、今こうしてインタビューを受けている場合も、私の情報提供に関して協力態勢がお互いにあるわけです。これはインタビュアーとの二人だけの小さい組織。またメンバーという概念も、普通考えられているよりはるかに広い範囲まで捉えることができます。例えばA社のメンバーという場合、普通はA社の従業員と考える。でもA社の存続に貢献している関係者は、株主でも顧客でも、あるいはA社に融資している銀行の預金者に至るまで、すべてA社のメンバーと考えることもできます。

さて、組織規模が大きくなると“戦略”という考え方が重要になってきます。その組織をどういう方向に持っていくか。その関わりある社会全体をどういう方向へ持っていくかということになるんですね。基本的な方針やデザインを持っていると、効率良く、熱意を向かうべき場所に進めていけます。

健全な資本主義の在り方

例えば息の長い優良企業というのは、かなりはっきりとしたビジョンを持っていると言えます。松下電器の創始者・松下幸之助の“水道哲学”という有名な話があります。ちょうど、映画「ALWAYS三丁目の夕日」の時代、冷蔵庫を持つ家も少なく、生卵の腐敗が原因で、よく子供の食中毒があり、抵抗力の弱い小さな子は、最悪の場合命を落としました。松下幸之助はフォードの大量生産システムを取り入れ、ロット数を上げて、規模の経済効果を図り、安く提供できる電気冷蔵庫を作り、どの家庭にも行き渡らせました。もちろん松下幸之助はこれによって大規模な利益を手にするわけですが、彼の頭の中には日本の未来を担う子供たちを救おうという強い思いがあり、これを電機という産業に関わる事業家としての使命とする考え方を持っていたのです。

健全な資本主義社会というのは、人の役に立つから売れる、売れるからその会社はもうかる、もうかる会社に投資すれば配当が十分得られるから、社会に役に立つところにお金が集まる、というシステムが成り立つ社会を意味しています。これは、非常に健全なシステムですね。だから利潤を求めているならば、世の中に役に立つことをやらなければならない、これは真っ当な論理です。

家族の在り方も仕事もデザインする

人間というのは結構呑気なもので、一生は一度だと言いながらも、では自分がどんな人間になろうとしているか、自分の住む世界をどうしていきたいのかなどと、普段そんなことを考えていない人の方が圧倒的に多いものです。家族にしてもファミリー像を持っているのか、何となく流された日常を過ごしているのか。家族同士のふれあいの在り方に意識を持つことで、人生は大きく変わるものだと思います。

もちろん仕事も同じ。長期的デザインを描いたビジョンを掲げた時に初めて出てくる、一種の使命感みたいな考え方が自分を押し進めて行くことになるのです。

とは言え、かくいう私も実は「論語読みの論語知らず」。時々、思い出したように本を書いたりしています(笑)。昨年末に出版した『リーダーシップの本質』には、私の人生哲学的なことを折り込み、リーダーシップの本質を書いています。日常の中にはリーダーシップというものが常にある。母親が子供にうまく学習にのめり込ませる方法と反発を買ってしまうやり方。亭主の仕事に取り組む気持ちを高めてくれる女房・・・。言葉一つ、なのです。何も戦略などという大層な考え方ではなく、向かうべき方向に心の舵を取ること。それがいつか、自分の築き上げてきた人生の景色となっていくのです。

著書『技術革新の戦略と組織行動』
著書『救国の戦略』(展転社 2002年発行)日本凋落の真因を探った一冊。モスクワ大学での講義の際、この本の内容を要約して分かりやすく説明をした。イラストは友人のイラストレーターに描いてもらったもの

研究室の書棚に鎮座する〈テラノザウルス〉と〈虎〉
研究室の書棚に鎮座する〈ティラノザウルス〉と〈虎〉。史上最強の先生のイメージだと生徒からティラノザウルスを贈られ、社会人講座でも先生は虎だと言われてプレゼントされたものです。肉食獣なんですね、私(笑)。でも、一番コワイのは人間なんですよね。ゼミのディスカッションを行った際の勝者の机に置くなど、工夫して使っています